企業の文化活動

みんなの別邸『GOSHOEN(護松園)ごしょうえん』 「季刊ブンカ」Vol.90 2023

イサム・ノグチのソファなどが配された「みんなのリビング」からは、護松園の名の由来となった松のある日本庭園が臨める。ここでヨガやマルシェなどのイベントも開催されている。

 護松園は江戸後期の1815年、北前船の商人「古河屋」の五代目 古河屋嘉太夫が、藩主などの賓客をもてなすために建てたものです。県の有形文化財で日本遺産の構成文化財でもある貴重な歴史遺産ですが、一般の人が内部を見ることはできませんでした。

 創業百年を迎えた箸メーカーの「マツ勘」は、まちの宝であるこの建物を多くの人が集える場にしようとリノベーションを実施。2021年5月、箸のショップやカフェなどを備えた複合施設に生まれ変わりました。庭園を見ながらくつろげる書院の間や図書館のほか、2023年1月には蔵を改修したミュージアムがオープン。各部屋の名前の頭には、思いを込めて「みんなの」と付けられ、市民はもちろん県内外の観光客などすべての人に癒しの空間を提供しています。

株式会社マツ勘

箸の国内生産7割超を誇る小浜市で、1922(大正11)年に創業した老舗の箸屋。箸を通してつかう人、つくる人、はたらく人、そしてまちの「わくわく」をつくるのがコンセプト。次の百年を、GOSHOENの活動を通して地域と共につくっていきたいと言う。

公式サイト https://matsukan.com/
場所 【GOSHOEN】小浜市北塩屋17-4-1