企業の文化活動

M/SPACE 「季刊ブンカ」Vol.12 2025

「最盛期には300人の従業員が工場で働いていたそうです」と草桶社長。単なるミシン置き場と思っていたが、イベント参加者から「天井の雨漏りのしみもアート」と言われ、見方が変わったそう。DJブースや展示スペースを設け、服飾関連以外にも自由な発想で使えるよう工夫している。

 越前市の縫製会社「モンスター」の工場内に、昨年11月オープンした「M/SPACE(エム スペース)」。築60年の昭和レトロ感漂う広々とした空間には、多種多様な工業ミシンや作業机が据えられています。

 元々は使わなくなったミシンを置いていた工場の空きスペース。草桶嘉之社長が「この場所とミシン、縫製技術を生かしてできることはないか」と考え、創作の場として広く活用してもらうことを思いつきました。すでに、ものづくりの楽しさを伝えるワークショップを不定期に開催。少人数制で熟練の技術者から直接手ほどきを受けながら、半日でトレーナーなどを仕上げられるとあって、リピーターも多いそう。ほかにも服飾を学ぶ学生の作業場に活用する計画が進行中です。

 2月には要望を受け、ジャズライブの会場に。市内外から訪れた約100人が音楽を通して交流しました。「アーティスト・イン・レジデンス」に発想を得て、6月にはステンシル作家のワークショップを企画するなど、アートとの出合いの場を広げています。

「世の中をいつも、おしゃれに」がモンスターのポリシー。ファッションと音楽、芸術は親和性があるといい、互いに交わり刺激し合うことで見る人もモノの見方が変わると言います。「ものづくりで培った会社の資産を活用して楽しんでもらい、アーティスト支援にもつながれば」と語ります。

株式会社モンスター

1949年(昭和24年)創業。足袋の縫製から始まり、現在は全国の百貨店やアパレル、コレクションブランドから縫製加工を請け負うOEM生産が主な事業。扱いが難しい伸縮性のある生地の縫製を得意とし、オリジナルブランドの開発にも取り組んでいる。ワークショップの情報はSNSで発信。
■営業日
火〜土 / 9:00 ~ 15:00
(休業日:日 / 月 / 祝)
Instagram:@m_space_monster

公式サイト https://mspace-monster.com/
場所 越前市堀川町4−36 (株式会社モンスター 工場内)